現役技術士はどんな文章を書くのか?
この記事では技術士(建設環境・環境測定)が実際に過去問を解答しました。
そしてどの情報に注目して、その情報をどう論文構築に活かしたか、解答手順も説明します。
この記事をよむことによって、論文作成の考え方が分かります。
問題
必須科目Ⅰ-1
我が国の人口は2010年頃をピークに減少に転じており、今後もその傾向の継続により働き手の減少が続くことが予想される中で、その減少を上回る生産性の向上等により、我が国の成長力を高めるとともに、新たな需要を掘り起こし、経済成長を続けていくことが求められている。こうした状況下で、社会資本整備における一連のプロセスを担う建設分野においても生産性の向上が必要不可欠となっていることを踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1)建設分野における生産性の向上に関して、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2) (1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を」示せ。
(3)(2)で提示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
(4)(1)〜(3)を業務として遂行するにあたり必要よなる要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
解答
1 | . | 課 | 題 | ||||||||||||||||||||
( | 1 | ) | i | – | c | o | n | s | t | r | u | c | t | i | o | n | の | 普 | 及 | ||||
技 | 能 | 労 | 働 | 者 | 約 | 3 | 4 | 0 | 万 | 人 | の | う | ち | 、 | 約 | 1 | 1 | 0 | 万 | 人 | の | 高 | |
齢 | 者 | が | 1 | 0 | 年 | 間 | で | 離 | 職 | と | 予 | 想 | さ | れ | る | 。 | 品 | 質 | の | 維 | 持 | や | 製 |
品 | の | 安 | 定 | 供 | 給 | の | 観 | 点 | か | ら | 、 | I | C | T | 施 | 工 | の | 活 | 用 | や | コ | ン | ク |
リ | ー | ト | 工 | の | 規 | 格 | 標 | 準 | 化 | の | 普 | 及 | と | い | っ | た | i | – | c | o | n | s | t |
r | u | c | t | i | o | n | へ | の | 取 | り | 組 | み | が | 課 | 題 | で | あ | る | 。 | ||||
( | 2 | ) | 自 | 動 | ・ | 自 | 律 | ・ | 遠 | 隔 | 施 | 工 | の | 安 | 全 | ル | ー | ル | 作 | り | |||
現 | 在 | 、 | 建 | 設 | 現 | 場 | の | 自 | 動 | ・ | 遠 | 隔 | 施 | 工 | の | 安 | 全 | 管 | 理 | は | 施 | 工 | |
者 | が | 独 | 自 | に | 実 | 施 | し | て | い | る | 。 | 作 | 業 | 員 | と | 自 | 律 | 型 | 建 | 機 | と | の | 接 |
触 | を | 避 | け | る | 安 | 全 | 確 | 保 | の | 観 | 点 | か | ら | 、 | 無 | 人 | エ | リ | ア | の | 設 | 定 | や |
現 | 場 | の | 安 | 全 | 対 | 策 | に | 対 | す | る | 役 | 割 | 分 | 担 | と | い | っ | た | 基 | 本 | 的 | ル | ー |
ル | の | 標 | 準 | 化 | が | 課 | 題 | で | あ | る | 。 | ||||||||||||
( | 3 | ) | B | I | M | / | C | I | M | の | 活 | 用 | |||||||||||
従 | 来 | の | 施 | 工 | で | は | 書 | 類 | の | 提 | 出 | に | 掛 | か | る | 時 | 間 | や | 手 | 戻 | り | に | |
掛 | か | る | 時 | 間 | が | 発 | 生 | し | て | い | た | 。 | 受 | 発 | 注 | 者 | 間 | の | コ | ミ | ュ | ニ | ケ |
ー | シ | ョ | ン | 円 | 滑 | 化 | や | 工 | 事 | 書 | 類 | の | 処 | 理 | 迅 | 速 | 化 | の | 観 | 点 | か | ら | 、 |
3 | 次 | 元 | モ | デ | ル | を | 情 | 報 | 共 | 有 | す | る | B | I | M | / | C | I | M | の | 活 | 用 | が |
課 | 題 | で | あ | る | 。 | ||||||||||||||||||
2 | . | 最 | 重 | 要 | 課 | 題 | と | そ | の | 解 | 決 | 策 | |||||||||||
i | – | c | o | n | s | t | r | u | c | t | i | o | n | の | 普 | 及 | が | 最 | 重 | 要 | 課 | 題 | |
で | あ | る | 。 | 以 | 下 | に | 、 | そ | の | 解 | 決 | 策 | を | 示 | す | 。 | |||||||
( | 1 | ) | I | C | T | 施 | 工 | の | 活 | 用 | |||||||||||||
測 | 量 | 時 | の | 時 | 間 | 短 | 縮 | や | 、 | 初 | 心 | 者 | で | も | 熟 | 練 | 者 | 並 | み | の | 精 | 度 | |
や | 効 | 率 | で | 作 | 業 | を | 遂 | 行 | す | る | 効 | 果 | を | 狙 | い | 以 | 下 | を | 実 | 施 | す | る | 。 |
・ | ド | ロ | ー | ン | や | レ | ー | ザ | ー | ス | キ | ャ | ナ | を | 用 | い | た | 3 | 次 | 元 | 測 | 量 | で |
得 | ら | れ | た | デ | ー | タ | を | 施 | 工 | か | ら | 検 | 査 | ま | で | 活 | 用 | す | る | 。 | |||
・ | I | C | T | 建 | 機 | を | 自 | 動 | 制 | 御 | す | る | こ | と | に | よ | り | 、 | 丁 | 張 | り | を | 用 |
い | ず | 図 | 面 | 通 | り | の | 正 | 確 | な | 施 | 工 | を | 実 | 施 | す | る | 。 | ||||||
( | 2 | ) | コ | ン | ク | リ | ー | ト | 規 | 格 | の | 標 | 準 | 化 | |||||||||
一 | 品 | 受 | 注 | 生 | 産 | に | よ | る | 納 | 品 | 待 | ち | 時 | 間 | の | 削 | 減 | や | 、 | 製 | 品 | の | |
デ | ッ | ド | ス | ト | ッ | ク | 抑 | 制 | を | 狙 | い | 以 | 下 | を | 実 | 施 | す | る | 。 | ||||
・ | 東 | 北 | 地 | 方 | で | さ | か | ん | な | 「 | 発 | 注 | 見 | 通 | し | か | わ | ら | 版 | 」 | 等 | の | 情 |
報 | を | 活 | 用 | し | 関 | 係 | 者 | 間 | で | 早 | 期 | に | 施 | 工 | 計 | 画 | を | 立 | 案 | す | る | 。 | |
・ | 橋 | 脚 | 、 | ボ | ッ | ク | ス | カ | ル | バ | ー | ト | 等 | の | 部 | 品 | の | 仕 | 様 | や | サ | イ | ズ |
を | 標 | 準 | 化 | し | 、 | 組 | み | 合 | わ | せ | 施 | 工 | を | 多 | 用 | す | る | 。 | |||||
( | 3 | ) | 施 | 工 | 時 | 期 | の | 平 | 準 | 化 | |||||||||||||
技 | 能 | 者 | の | 処 | 遇 | の | 改 | 善 | や | 、 | 発 | 注 | 者 | の | 入 | 札 | 不 | 調 | ・ | 不 | 落 | を | |
抑 | 制 | す | る | 効 | 果 | を | 狙 | い | 以 | 下 | を | 実 | 施 | す | る | 。 | |||||||
・ | 施 | 工 | を | 次 | 年 | 度 | に | 持 | ち | 越 | せ | る | よ | う | に | 、 | 債 | 務 | 負 | 担 | 行 | 為 | を |
活 | 用 | し | て | 4 | – | 6 | 月 | の | 閑 | 散 | 期 | に | 施 | 工 | を | 行 | う | 。 | |||||
・ | 余 | 裕 | 期 | 間 | 制 | 度 | を | 活 | 用 | し | て | 、 | 技 | 能 | 者 | や | 機 | 材 | の | 調 | 達 | が | 無 |
理 | の | な | い | よ | う | に | 工 | 期 | を | 設 | 定 | す | る | 。 | |||||||||
3 | . | リ | ス | ク | を | そ | の | 対 | 策 | ||||||||||||||
シ | ス | テ | ム | ダ | ウ | ン | か | ら | の | 復 | 旧 | に | 時 | 間 | を | 要 | し | 技 | 能 | 者 | へ | の | |
負 | 担 | 増 | や | 工 | 期 | 遅 | 延 | の | リ | ス | ク | が | あ | る | 。 | 以 | 下 | に | そ | の | 対 | 策 | を |
示 | す | 。 | |||||||||||||||||||||
( | 1 | ) | ク | ラ | ウ | ド | の | 管 | 理 | ||||||||||||||
情 | 報 | 共 | 有 | は | ク | ラ | ウ | ド | が | 根 | 幹 | と | な | っ | て | お | り | 、 | シ | ス | テ | ム | |
の | ト | ラ | ブ | ル | 回 | 避 | や | 早 | 期 | 回 | 復 | の | 目 | 的 | で | 以 | 下 | を | 実 | 施 | す | る | 。 |
・ | シ | ス | テ | ム | へ | の | ア | ク | セ | ス | 権 | 限 | や | パ | ス | ワ | ー | ド | の | 設 | 定 | ・ | 変 |
更 | 頻 | 度 | 等 | の | ル | ー | ル | を | 決 | め | 管 | 理 | す | る | 。 | ||||||||
・ | 災 | 害 | や | サ | ー | バ | ー | 障 | 害 | に | よ | る | デ | ー | タ | 消 | 失 | に | 備 | え | 、 | バ | ッ |
ク | ア | ッ | プ | の | ル | ー | ル | を | 設 | 定 | す | る | 。 | ||||||||||
( | 2 | ) | 建 | 機 | 自 | 体 | の | 管 | 理 | ||||||||||||||
マ | シ | ン | ト | ラ | ブ | ル | に | よ | る | 突 | 然 | の | 作 | 業 | 中 | 断 | や | 施 | 工 | の | や | り | |
直 | し | 回 | 避 | の | 目 | 的 | で | 以 | 下 | を | 実 | 施 | す | る | 。 | ||||||||
・ | 建 | 機 | の | 導 | 入 | 範 | 囲 | で | R | T | K | – | G | N | S | S | や | T | S | で | 位 | 置 | 情 |
報 | が | 取 | 得 | で | き | る | か | を | 確 | 認 | す | る | 。 | ||||||||||
・ | 工 | 事 | 期 | 間 | 中 | は | 建 | 機 | の | 摩 | 耗 | 、 | ガ | タ | 、 | セ | ン | サ | ー | 性 | 能 | 等 | を |
頻 | 度 | を | 決 | め | 点 | 検 | し | 早 | 期 | ト | ラ | ブ | ル | 検 | 出 | を | 行 | う | 。 | ||||
4 | . | 遂 | 行 | 時 | の | 要 | 件 | ||||||||||||||||
( | 1 | ) | 倫 | 理 | に | よ | る | 観 | 点 | ||||||||||||||
技 | 術 | 士 | 倫 | 理 | 要 | 領 | 9 | . | 相 | 互 | の | 尊 | 重 | が | 要 | 件 | で | あ | る | 。 | 建 | 設 | |
作 | 業 | で | の | 死 | 亡 | 事 | 故 | は | 年 | 間 | で | 3 | 0 | 0 | 件 | 弱 | 発 | 生 | し | て | い | る | 。 |
共 | に | は | 働 | く | 者 | の | 安 | 全 | と | い | う | 観 | 点 | か | ら | 、 | 作 | 業 | 前 | の | T | B | M |
– | K | Y | や | ゼ | ロ | 災 | と | い | っ | た | 安 | 全 | 活 | 動 | を | 実 | 施 | す | る | 。 | ま | た | 、 |
互 | い | に | 声 | を | 掛 | け | 合 | え | る | 職 | 場 | 風 | 土 | 作 | り | に | 力 | を | 入 | れ | る | 。 | |
( | 2 | ) | 持 | 続 | 可 | 能 | 性 | の | 観 | 点 | |||||||||||||
S | D | G | s | 5 | . | ジ | ェ | ン | ダ | ー | の | 平 | 等 | が | 要 | 件 | で | あ | る | 。 | 建 | 設 | |
業 | に | お | け | る | 女 | 性 | の | 比 | 率 | は | 約 | 1 | 5 | % | で | あ | り | 、 | 他 | の | 業 | 界 | の |
約 | 3 | 分 | の | 1 | で | あ | る | 。 | 女 | 性 | の | 働 | き | や | す | い | 環 | 境 | 作 | り | と | い | う |
観 | 点 | か | ら | 、 | 建 | 設 | 現 | 場 | に | 女 | 性 | 専 | 用 | の | 待 | 機 | 所 | や | 更 | 衣 | 室 | ・ | ト |
イ | レ | を | 設 | 置 | す | る | 。 | ま | た | 、 | 勤 | 務 | 時 | 間 | に | 融 | 通 | を | 持 | た | せ | 、 | 産 |
休 | 制 | 度 | を | 浸 | 透 | さ | せ | る | 。 |
解答手順
技術士の論文に限らず、文章を書く場合は
①最初に全体構成を考えて、各問題に対するキーワードを決めてしまう
②キーワードの肉付け
の順番で書きましょう。
並行して、自分が調べた情報ソースはしっかりメモしましょう。
全体構成
文章展開におかしなところはないかをチェックするのが目的です。
題意に沿ったキーワード選定となっているかを意識しながら、情報収集を行っていきましょう。
問題文を読むと、”建設分野における生産性向上”について文章展開することが分かります。
国土交通白書から確認していきましょう。
https://www.mlit.go.jp/statistics/file000004/pdfindex.html
ctrl+Fで、最近の情報・トピックスをチェックします。
〇問題1・課題に対するキーワードのピックアップ
79pの”建設現場の生産性向上の取組み”が今回の題意の内容であり、トピックスとしては「i-Construction」、「建設機械施工の自動化・自律化」、「BIM/CIM」あたりとなります。
“最近のトピックス=課題”としてOKです。
〇問題2・最重要課題と解決策に対するキーワードのピックアップ
国土交通白書から情報を得ましょう。
「i-Construction」:ICT施工、コンクリ-ト規格の標準化、施工時期の平準化
「建設機械施工の自動化・自律化」:安全ルール、現場検証、施工管理基準の策定
「BIM/CIM」:BIM/CIMの適用原則化
あたりが具体的な実施策となっていることが読み取れます。
“具体的な実施策=解決策”と認識してOKです。
最重要課題はどれでもよいですが、ctrl+Fで検索してヒット数の多いものほど注目度が高く、最重要課題としてふさわしいです。
〇問題3・リスクとその解決策
リスクの設定はややコツが必要です。まず、課題を実現させた暁の成果物を考えます。
例えば、i-ConstructionであればICT建機やネットワークシステム中心の建設現場でしょう。
建設機械施工の自動化・自律化であれば無人の現場でしょう。
次にネットワークシステムや無人現場に対してデメリット・トラブル・懸念といった言葉を添えて検索します。
今回はICT建機とトラブルのワードで検索してみました。
https://www.jcmahs.jp/files/ict/trouble.pdf?date=20240329
〇問題4要件
リスクと同様に成果物を考えることから始めます。
倫理は移行中・作業中に発生しそうな懸念事項であり、持続可能は課題実現後、将来的に発生しそうな懸念事項です。
リスクとの違いに混乱しそうなのでまとめます。
成果物作成中に発生しそうな懸念が倫理です。成果物が出来上がった後に発生しそうな懸念がリスクです。成果物を長い間運用した場合に発生しそうな懸念が持続可能案件です。
倫理については”建設現場”と”懸念”で検索して事故防止としました。
https://www.alsok.co.jp/corporate/recommend/construction-site-risk.html
技術士倫理綱領と照らし合わせて9相互の尊重としました。
持続可能については”建設現場”と”これから”で検索して女性進出としました。
https://www.conit.site/column/construction-future/
SDGsと照らし合わせて5ジェンダー平等としました。
まとめます。
全体構成・キーワードは以下の通りとしました。
題意 :「建設現場における生産性向上」
課題 :「i-Construction」、「建設機械施工の自動化・自律化」、「BIM/CIM」
最重要課題 :「i-Construction」
解決策 : 「ICT施工」、「コンクリ-ト規格の標準化」、「施工時期の平準化」
成果物 : 「ICT建機やネットワークシステム中心の建設現場」
リスク : 「システムダウン時における工期遅延」
倫理要件: 「働く仲間の安全確保」
持続留意: 「建設現場への女性の進出」
キーワードを俯瞰して、論文展開に不自然な点がないかをチェックしました。
要チェック箇所は成果物やリスクあたりです。
「i-Construction」と「システムダウン時における工期遅延」で飛躍しすぎてないか?
「i-Construction」と「働く仲間の安全確保」に関連性はあるか?
「i-Construction」と「建設現場への女性の進出」に矛盾はないか?
です。
不自然であれば、潔くキーワードを再設定します。今回は特に問題はないでしょう。
設問1・課題について
課題とは現状と理想のギャップを埋める作業です。
表現としては
“このような現状がある。理想の観点から、ギャップを埋めることが課題である”となります。
ここで重要なのは観点を深掘りすることです。
もちろん、問題文中に観点を示すよう求められているので記載するのですが、観点の内容が明確なほど説得力のある解答となります。
観点としては品質、コスト、工期、サービス、安全、衛生、環境、生産性、モラル、メリット、目的等を意識するとよいでしょう。
「i-Construction」について参考にした検索ページです。
観点:https://www.qsr.mlit.go.jp/ict/iconstruction/page2.html
現状:https://www.qsr.mlit.go.jp/ict/iconstruction/page1.html
設問2・最重要課題と解決策について
解決策はギャップを埋めるための具体的な作業や道筋のことです。
表現としては
”このような効果を狙い以下を実施する。
このような技術をこのような場面で用いる”となります。
ここで重要なのは効果を明示すること、具体的な技術名だけでなくどの場面で活用するかまで記載することです。
効果は検索したページの冒頭に記載されているケースが多いです。”目的”=”効果”と考えてOKなのでじっくり読んでみましょう。
参考にした検索ページです。
「ICT施工」:https://www.qsr.mlit.go.jp/ict/iconstruction/page3.html
「コンクリ-ト規格の標準化」:https://www.mlit.go.jp/tec/i-con-concrete.html
「施工時期の平準化」:https://www.qsr.mlit.go.jp/ict/iconstruction/page9.html
設問3・リスクについて
リスクは副次的に発生するマイナス事象です。最初に具体的な成果物を想定し、成果物に対して懸念・デメリット等の言葉でリスクを見つけます。
表現としては
”このようなリスクがある。以下にその対策を示す。
次のような効果を期待して次を実施する”
ここで重要なのは、自分が書いた”リスク”に飛躍がないこと、対策に効果や目的を明示することです。
成果物はまずは思いつく限りリストアップして検索してみましょう。検索結果が出てこなければ飛躍した文章展開となるリスクがあります。避けるべきです。
参考にした検索ページです。
ICT建機とトラブル:https://www.jcmahs.jp/files/ict/trouble.pdf?date=20240329
システム障害:https://www.biprogy.com/pdf/tec_info/7002.pdf
建機の精度:https://www.mlit.go.jp/tec/constplan/content/001612928.pdf
設問4・要件・留意点について
倫理要件はリスクの項で設定した成果物を作成・実施・建造中に発生するマイナス事象です。そのマイナス事象を技術士倫理綱領と結びつけます。
表現としては
”技術士倫理綱領の何々が要件である。このような現状がある。次のような観点から、何々が業務遂行上の要件である”
ここで重要なのは、技術士倫理綱領との結び付けに飛躍がないことです。倫理綱領は10条までありますが、場面は細かく設定されています。自分が検索したマイナス事象はどの場面に当てはまるか照らし合わせていくとよいでしょう。
参考にした検索ページです。
建設事故:https://www.alsok.co.jp/corporate/recommend/construction-site-risk.html
技術士倫理綱領:https://www.engineer.or.jp/c_topics/009/009289.html
持続可能性留意点はリスクの項で設定した成果物について、将来的に発生しそうなマイナス事象です。時系列としてはリスクよりももっと未来の内容です。そのマイナス事象をSDGsと結びつけます。
表現としては
”SDGsの何々が要件である。このような現状がある。次のような観点から、何々を業務遂行上で留意する”
ここで重要なのは、どのSDGs目標に結び付けるかです。17の目標と169のゴールが設定されていますが、どの目標・ターゲットと結ぶかによって文章内容も変わります。文章展開にあった目標を選びましょう。
参考にした検索ページです。
女性進出: https://www.conit.site/column/construction-future/
SDGs: https://imacocollabo.or.jp/about-sdgs/17goals/
まとめ
いきなり文章を書くのではなく、最初に全体構成を考えること、情報ソースは記録しておくことを説明しました。どの問題を解くにしても全体構成と情報ソースの記録は必須です。ぜひとも自分の勉強方法に活用してみてください。
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